甲状腺疾患(甲状腺外来)

甲状腺疾患とは?

甲状腺疾患とは?甲状腺は喉仏の下の方にある小さな臓器で、蝶が羽を広げたような形をしています。
甲状腺疾患には大きく分けて2種類あり、1つは甲状腺の働きが低下する、または活発になりすぎる甲状腺機能障害、もう1つは甲状腺にしこりができる甲状腺腫瘍です。

甲状腺の役割

甲状腺は、新陳代謝を促すために必要な甲状腺ホルモンを分泌する重要な器官です。
甲状腺ホルモンはヨウ素から産生され、体の活動全体に大きく関わっていています。甲状腺の働きに活発になりすぎると、新陳代謝が促進されすぎてしまい身体が消耗してしまいます。
逆に、甲状腺の働きが低下すると起こるのが新陳代謝の低下です。甲状腺に異常が起きると、常に「どこか調子が悪い」というようなつらい状態になってしまいます。

他の病気と間違われやすい甲状腺疾患

  • 他の病気と間違われやすい甲状腺疾患動悸や息切れから「心臓が悪いのではないか」
  • 全身のだるさが続くので「うつ病ではないか」
  • むくみにより「腎臓が悪いのではないか」
  • 肝機能障害が出ると「肝臓病ではないか」
  • 体重減少によって「がんではないか」
  • ぼーっとすることが増えて「認知症ではないか」

甲状腺に異常があると、全身に症状が現れます。症状の現れ方は様々ですが、他の病気と間違われやすいものも多いです。「原因がはっきりしないけれど、なんだか調子が悪い」と感じている方は、一度甲状腺の検査を受けられることをおすすめします。
検査をご希望でしたら、新潟市江南区のとがし医院(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)へお気軽にお問い合わせください。

甲状腺機能亢進症―バセドウ病 ―

甲状腺ホルモンが過剰に産生される病気を「甲状腺機能亢進症」と呼びます。代表的なものがバセドウ病です。バセドウ病は自己免疫疾患の1つであり、甲状腺刺激ホルモン受容体に対する自己抗体が甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンが過剰に産生されて起こります。
特に20~40代の方が発症しやすい、女性に多い病気です。

症状

甲状腺が腫れる、目が飛び出てくる、脈が速くなるの3つが有名な症状です。
そのほか、体重減少、暑がり、息切れ、多汗、手足の震え、イライラ、疲れやすいなどの症状が現れます。

検査

血液検査で甲状腺に関するホルモンの値を調べて診断します。
場合によっては甲状腺シンチグラフィと呼ばれるアイソトープを用いる検査を行って、甲状腺の働きを評価します。さらに、甲状腺の大きさやしこりの有無を調べる超音波検査や胸部レントゲン、心電図などを行うこともあります。

治療

治療方法は、甲状腺ホルモンの産生を抑える内服薬、放射線を用いて甲状腺ホルモン産生量を減少させるアイソトープ治療、甲状腺を切除する手術の3種類です。病気の状態や年齢、社会生活などを考えて、患者様に合わせた治療を行います。

甲状腺機能低下症―橋本病 ―

橋本病は、甲状腺に慢性の炎症が起きるため「慢性甲状腺炎」とも呼ばれます。甲状腺の機能が低下して甲状腺ホルモンが産生されにくくなることがある病気であり、自己免疫疾患の1つです。特に30~40代の女性に発症することが多い病気です。

症状

甲状腺の腫れ、疲れやすさ、寒がり、むくみ、体重増加、便秘、かすれ声、コレステロール高値、肝機能異常などの症状が現れます。

検査

血液検査で甲状腺に関するホルモンの値を調べて診断します。超音波検査で甲状腺の大きさやしこりの有無を調べることもあります。

治療

甲状腺機能が低下している橋本病の場合は、合成T4製剤の内服を行います。また、ヨード制限を行う場合もあります。

亜急性甲状腺炎

亜急性甲状腺炎は、甲状腺に炎症が起きて組織が壊れる病気です。壊れた組織から甲状腺ホルモンが血液中に出てくるため、甲状腺ホルモンが高値になります。風邪など、ウイルス感染に続いて起こることがあります。

症状

炎症による発熱や甲状腺の腫れや痛み、動悸や息切れなどが現れます。

検査

血液検査で炎症の指標となるCRP高値、甲状腺ホルモンが高値であるかどうかを調べます。また、超音波検査で炎症による甲状腺の変化を確認します。

治療

基本的に自然治癒します。安静にして過ごすのが基本ですが、発熱や痛み、頻脈に対しては症状を緩和させる薬を内服します。

甲状腺腫瘍(良性・悪性)

甲状腺にできるしこり(腫瘍)には、良性のものと悪性のものがあります。良性のものは嚢胞、濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫などを含みます。悪性のものは甲状腺分化がん、髄様がん、未分化がんなどに分かれます。
悪性の場合、他の部位のがんと比べて進行が遅くて治りやすい種類が多いのが特徴ですが、組織型や進行度によって予後は異なります。

症状

自覚症状は特にありませんが、腫瘍が大きくなった場合に現れるのは、甲状腺の腫れや違和感です。良性腫瘍の場合、甲状腺ホルモンを過剰産生するものであれば、甲状腺機能亢進症と同様の症状が起こることもあります。

検査

視触診、超音波で甲状腺の大きさや性状を調べます。悪性が疑われる場合、さらに細胞診やCTでがん細胞の有無を調べます。

治療

良性腫瘍であれば、大きくなって気になるようであれば手術による切除や経皮的エタノール注入療法で縮小させて治療します。
悪性腫瘍の場合、基本的な治療法は手術による甲状腺の切除です。転移がある場合はアイソトープ治療や分子標的薬による治療を行います。腫瘍を縮小するために放射線治療を行うこともあります。

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